人生初の教壇は大失敗!
「はあ、早く帰りたい。」
大学を卒業し、講師として算数少人数担当を務めた時、私の毎日の心の声はこればかりでした。 当時、”真面目”しか取り柄がなく学校現場に理想を抱き過ぎていた私は、児童の姿勢が少し乱れることや授業中の私語などが一切許せず、口煩く指導をする毎日でした。その一方で、幼い頃から”優等生”を気取っていたことからくる慢心により、授業の事前準備もろくにせず、つまらない授業を展開する毎日でした。
つまらない授業をするくせに口煩く指導をしてくる先生が好かれるはずもなく、次第に子どもたちは反抗的な態度に。それに嫌気がさした私は「はあ、早く帰りたい。」となってしまっていました。
生まれた変化
そんな私を支えてくれていたのが、大学から始めた”ダンス”でした。私は採用試験は受けず、1年の講師契約期間を終えた後は、ダンスの世界に身を投じました。
私が身を投じたダンスの世界は、学歴、性別、人種等やダンスの技術で優劣をつけるのではなく、互いが表現するものを尊重し、認め合う世界でした。
そのため、どんな人でも自然と”心が解放”され、自分自身をさらけ出し”自由に表現”することができる世界でした。
そんな世界に触れ、私の心にも変化が生まれました。
今までは、他人の目を気にしてしまいがちだった私も互いを認め合うことの素晴らしさを知り、次第に、心に”ゆとり”が生まれていったように思います。様々な人が抱える背景や思いを尊重し、認めることができるようになっていきました。
やってみたかった目標もある程度達成し、「今なら先生をやれるのでは。」という感情が芽生え始めたのもちょうどこの時期でした。
待っていたのはやんちゃな子どもたち
再び講師となった私を待ち構えていたのは、お世辞にも落ち着いているとは言えないやんちゃな子どもたちでした。
しかし、初めの頃と違うのは、心に”ゆとり”をもてていたこと。そのため、以前なら気になっていたであろう行動も、子どもたちの様子をよく観察し、認めてあげながらも、必要だと感じた場面では指導をすることができるようになりました。それにより、次第に子どもたちともよい関係を築くことができました。
これからの先生像。心の解放
私は来年度から正式採用となります。
採用試験は経験者枠で受けました。少し時間はかかりますが、毎日目の前の子どもたちのために費やした時間が、そのまま合格へと繋がるのはありがたかったです。
私は、あのダンスの世界で見たような”心を解放し、自由に表現できる”子どもたちを育てたいと思っています。
今まで、僅かながらも子どもと関わる中で、心に蓋をし、素直に表現することが難しい子が多いと感じていたからです。
そのために、まずは私が、”心のゆとり”をもって子どもたちと寄り添い、感じていることや思っていることなどを捉え、認めていくことで、子どもたちが構えず”心を解放し、自由に表現できる場”を作っていきたいと思っています。