「健康と成長を支援する仕事がしたい」。
中学生の頃からそのように思っていた私は、養護教諭を目指すようになりました。大学4年生のときに教員採用試験を受験しましたが、結果は不合格。そんなとき、養護実習でお世話になった東京都の公立小学校から産育休代替のお話をいただきました。
自分に養護教諭が務まるのだろうかという不安と、養護教諭という職に挑戦できる喜びの両方を感じる中、産育休代替としての勤務が始まりました。現場で養護教諭として働く日々は、新たな気付きと学びの連続であり、次のような進歩がありました。
実際にけがや病気に対応することで、そのときの経験から多くの知識を得ました。
保健室利用状況を記録し集計した結果から、子どもの様子や健康課題が見えてきました。
周囲の先生方の実践を見ることで、多角的な視点をもつようになりました。
子どもや保護者の方と話す中で、共感や受容のスキルが少しずつ身に付いてきました。
そして、今子どもたちが生きる学校の実態を知ることができました。
教員採用試験の勉強と仕事の両立については、初めは不安もありましたが、計画立てて勉強することで解決できました。何よりも、現場経験を通じて先に述べたような気付きや学びを得たことが、小論文・面接試験において大きな強みとなりました。採用試験を控えている状態で現場に出るか、それとも勉強に専念するか、悩むところではありますが、私の場合は現場で実践してみたいという思いがあったため、この選択が良かったのだと考えています。とにかく試験対策に注力したいという場合には、勉強に専念することが良いのかもしれません。大切なことは、目標やそこまでの道のりをしっかりと検討することなのだと思います。
そして正規採用となった現在は、東京都の公立中学校に勤務しています。産育休代替時代に身に付けたことが、現在の実践の基礎となり、さらに養護活動を発展させていくにあたって大きな役割を果たしています。
これまでの経験やそこで出会った方々との関わりの一つ一つが財産となり、今の自分を創り上げています。そのような学びを与えてくれた環境とお世話になった方々への感謝の気持ちを忘れずに、養護教諭として人々の健康と成長を支援するという目標に向かって邁進していきます。