昨年度、4年生に社会を教えることになりました。県名と県庁所在地を覚えさせなくてはいけませんが、漢字が苦手な子が半数。最初から県名と県庁所在地を漢字で書かせたら嫌がりそうな予感…というか確信が!子供達の顔を思い浮かべ思案していたその時、英語の時間の光景が頭を過りました。耳から覚える姿です。
まずは慣れ親しませるため、地図帳を開かせ、私が言った県を指してから県庁所在地を答える(その逆も)ポインティングゲームをしました。聞いて話す。しかも反射的に。男ばかり8人の学級でバトル好き。クイズやカルタも盛り上がりました。そして、その時間を確保するために学習にも集中して取り組んでくれました。
1学期の終わり頃に県名テストをしましたが、平仮名なら書けるというので、まずは書ける分書かせ、後で地図帳を見ながら漢字で書き写させました。
さて、夏休みに入ってすぐのこと、本校に学芸大の粕谷恭子教授をお迎えしてご指導を賜ることができました。これは、辟雍会の馬渕会長、種市青森県支部会長をはじめたくさんの皆様にご支援いただき実現したものです。この貴重な機会に4年生も公開授業を行いました。私達は1時間の授業の中に4技能をバランスよく組み込みたいと、例文に倣って自分のことを書くという活動を入れた指導案を作成していました。
しかし、「書く」について、「慣れ親しんだ単語や表現」という文言のレベルをつかみ切れていませんでした。前の活動で聞いたり話したりした英文にも関わらず、書いたものをたどたどしく読む子供達。粕谷教授がこの状況を見ながら、単元の1時間目の書く活動として間違いだとはっきり教えてくださいました。授業と講演の両方で具体的にお話しいただいたので、すうっと染み込み、すっきりするくらい納得しました。
2学期の中頃、件の中の一人が県名を全部漢字で書けると豪語しました。テストしたいと言うので書かせてみたら、鉛筆がすらすらと動くではありませんか。しかも県庁所在地を言いながら。「すごい、すごい!」と褒めながらも、ふっと粕谷教授に教えていただいた「書く」の段階の見極めポイント「リズムよくすらすら…」が頭に浮かび、「こっちはセットで反射的に…か?」と、一人笑ってしまいました。
今年度は4年生に英語を教えています。中学の頃から苦手意識を払拭できずにいますが、その指導法から他教科に生かせるアイディアをたくさんもらっているのも事実です。人生の残り半世紀を充実させるために(海外旅行の時に困らないように!)、英語を学び直す絶好の時間と前向きに捉え、忌避せず、子供達と一緒に楽しみたいと思います。