はっきり言って、私はツイています。特にこれといったとりえもない私が、一校をあずかる校長となり、こうやって原稿を書かせていただいています。これだけでも、私がツイている証明になるのではないかと思いますが・・・。
私が教員になったのは、昭和52年の学習指導要領の終わりの頃です。すぐに平成元年の学習指導要領に変わって、衝撃を受けました。生活科の登場です。それまでの「教え込む教育」ではなく、「個性を生かす教育の充実に努めなければならない」となったのです。でも、私はツイているので大丈夫でした。学年主任が生活科の専門で、さらに、奇数(1・3・5年生)分科会と偶数(2・4・6年生)分科会に分かれて校内研究を進め、高学年の担任でありながら、飛び込みで低学年の授業をさせていただいたりしました。
平成10年の学習指導要領の改訂では、総合的な学習の時間が始まり、「生きる力をはぐぐむ」となったのです。でも大丈夫です。ツイている私は、その頃日本人学校に派遣されていて、先日、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した是枝弘和監督がドキュメンタリー番組を撮影した総合学習の研究校であった長野県伊那市立伊那小学校から派遣されていた先生に「子どもは、自ら動き出す力をもっている存在」だと教えていただきました。
平成20年の改定では、「習得・活用・探究という学習プロセスによる学び」がいわれましたが、ツイている私は、教科調査官を2年間、講師で迎える校内研究に副校長としてかかわりました。
そして、昨年度公示された学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が言われました。やっぱりツイています!自分が子どもたちに伝えたかったこと、身に付けてほしかったことが、学習指導要領の柱となったのです。私の退職までは、この学習指導要領です。思う存分、学習指導要領に浸りたいと思っています。