先日、都内の小学校で行われた夏季教育研究セミナーに参加しました。そこで大学院時代の仲間に久しぶりに再会して懐かしい気持ちになり、参加していた大学院生の姿を見て当時の自分を思い出しました。
二年前、私も大学院生として授業研究会や授業観察に出かけて学ぶ機会が多くありました。大学院二年時には、研究室の先生から紹介を受け、小学校にて体育講師をさせていただくことになりました。体育授業の研究を進めるうえで、体育講師として一年生から六年生までの体育授業に関わることができるという、願ってもないチャンスに興奮したことを覚えています。全学年の担任の先生の授業を観させていただいたことで、指導方法や授業マネジメントの仕方、学級経営にいたるまで勉強することができました。空き時間には、他の教科の授業の参観もしましたし、休み時間や給食の時間には、子どもたちと遊んだりもしました。このような経験をもとに、採用試験の面接では、子どもの姿をリアルに思い浮かべながら自信をもって答えることができました。現場の様子を肌で感じることは、座学にはない深い学びがあったと思います。
また、修士論文の研究フィールドを勤務先の小学校に決めたことで、研究室で作りあげた授業を即座に実践したり、実践後に省察して次に生かしたりと質の高い研究を進めることができました。時には予想した子どもの姿や発話とは大きく異なる結果が表れることもありました。帰り道に焦りや戸惑いを感じながら研究室に戻ったことは、今では良い思い出です。大学院での研究を傍らに体育講師を務め、理論と実践をバランスよく関連付けて考えることができた一年間は、大きな財産となりました。
このような経験ができたのも、体育講師という立場ながら、温かく迎えてくれて、働きやすい環境を整えてくれた先生方のおかげです。学級担任となった今、私がしてもらったことを、教師を志す学生さんたちに還元していきたいと思います。