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Vol.024小学校のプログラミング教育と教科の接続②活用編

 今回は、算数と図画工作(図工)に位置づけたプログラミングの活動をご紹介します。

 まず、算数に位置づけた活動「自動計算器をつくろう」という活動です。小学校3年生で行いましたが、低学年でも十分可能です。先生方が日ごろ使っている「表計算ソフト」を、この活動では子どもたちが使います。例えば、買い物のおつりを求める場面を想定します。図のように、答えを表示する枠に、手順「おこづかいの枠(B4)-値段の枠(D4)-値段の枠(F4)」と記せば、常に2つのものを買った時のおつりが自動的に計算されるプログラムが完成します。子どもたちは買うものの値段を変えたとしても、答えをコンピュータが自動的に計算することに感動して、すぐに別の値を入れたり、別の計算のシチュエーションを考えたり、どんどん改造を始めます。表計算ソフトを意図的に使うだけで「コンピュータは人間の命令通りに健気に動いてくれる」ということが十分に伝わる活動になります。

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図 表計算ソフトの自動計算の例

 また、表計算ソフトだけでなく、プレゼンテーションをつくるソフトについても、効果的な発表の構成などを考えながらスライドをつくる活動が、論理的な思考力を養うことに繋がるといえます。

 次は、小学校3年生から6年生に行った図工の活動をご紹介します。Processing(プロセッシング)という無償のプログラミング環境を使って絵を描く活動です。Processingは多くの機械や道具に使われているjavaという環境を簡単にしたもので、描画に特化しており、教育用の環境としてとても有名なソフトウェアです。Processingの良さは、点は[point]、線は[line]のように身近な単語を並べるだけで、思い通りの絵をコンピュータに描かせることができることです。ここで大切なのは、プログラムで与える命令の順番です。顔を描くとすると、目や鼻などを描く命令をした後で顔の色を塗る命令をすると、目や鼻は肌色の下になり消えてしまいます。Processingでプログラミングをすることは、本物の油絵を描くのと同様に、「何色の筆をもって、どんな順番で描くのか?」という論理的な思考力が求められる活動になります。竹早小学校では、子どもたちはオリジナルのアニメーションや簡単なゲームをProcessingでつくっています。

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著者前任校 札苗北小学校の3年生「Processingで思い通りの絵を描こう」(図工)の様子

Processingの良さは、記述が簡単で、さらに先に述べたjavaというプログラミング環境へレベルアップすることが簡単な点にあります。プログラムでドアを開けたり、光センサーを使って夜になると電気を自動的に点けたり、マイコンを使って現実空間へ出力をつくる「フィジカルコンピューティング」を中学校で行うとすれば、javaなどの汎用的なプログラミング環境を使うことが、小学校からのカリキュラムづくりにも有効だといえます。逆にいえば、様々なプログラミングの環境が選択できる中で、系統立てたカリキュラムをつくることが難しいという課題があるともいえます。

 3回目の最終回は、国語に位置づけた事例紹介と、プログラミング教育のポイントをまとめていきます。

  〈教材紹介〉 pic_03

図工「Processing」

Processingは無償公開されている教育用プログラミング環境。Javaという言語を基に、「描画」に特化した簡単な記述でプログラムをつくることができる。WindowsやMacなどで動作可能。

東京学芸大学附属竹早小学校教諭
佐藤正範
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