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Vol.052森を守るために木を切る

 Elements vol.049では、授業で森林保全活動に参加しているといいましたが、具体的な「森づくり」の活動としては、木を切っています。森を守るために木を切っているのです。守るのに切っている、一見すると不思議ですよね。私たちは、NPO法人緑のダム北相模というボランティア団体に参加して、「間伐」という作業を一緒に行っています。自分たちで間伐した木をチェーンソーなどを使って製材(板など)にして、それを機械のカンナにかけてまな板を作り、自分たち生活の中で使っています。それがどのように環境問題につながるのでしょうか。みなさんはおわかりになりますか。

 まず、間伐という作業についてお話をします。木は植えてから「収穫」するまでに30年、40年かかることも珍しくありません。せっかく植えたのに、25年目で枯れたり、折れたりして木材として使えなくなっても植えかえる、というわけにいきません。そこで、密度を高くし、たくさんの苗木を植えておきます。そして、木の成長に合わせて少しずつ減らしていきます。これが間伐という作業です。しかし、戦後、木材を使わない暮らしが広まり、外国から安い木材が輸入されたことから、人が植えてきた森の手入れをしても赤字になってしまうため、次第に森の手入れをしなくなりました。その結果、森には細い木が高い密度で植えられたままになり、森の中は暗く、そこに集まる動植物もいなくなってしまいました。その森を健康な姿に戻すために、「間伐」という木を切る作業が必要なのです。

 しかし、せっかく切った木を値段が安いから、切れば切るほど赤字になるからといって切りっぱなしにし、森に置き去りにはできません。しかし、この切って終わりという「捨て間伐」は今、多くの森林組合で行われています。私たちの授業ではこの間伐材を有効に使うために、中学生や高校生たちと「まな板づくり」に取り組んでいます。森を守るために木を切り、その木を生かす、そして木材が売れればそのお金でまた森を手入れすることができます。木を使うことで森を守れるのです。これは、木づかい運動などとも呼ばれています。では、実際にまな板ができるまでを次回ご紹介します。

東京学芸大学附属小金井中学校教諭
宮村連理
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