CREDUON

Vol.43子どもも教師も楽しめる理科の授業づくり①
「遊び」からスタートさせる学び

 私はラジコンが好きな少年でした。特に、ヘリコプター型のラジコンが大好きでした。ヘリコプターは電気を利用しながら風の力で飛びます。また、小型のヘリコプターとなると、コンデンサーに電気を蓄えることにより、ある一定時間飛行することができるようになります。ヘリコプター型のラジコンは、まさに理科そのものでした。「遊び=理科」が、私を理科好きにさせたきっかけだったのかもしれません。  私が理科の授業づくりで大切にしていることは、「楽しむこと」です。もちろん、遊んで終わりではありません。「楽しんでいたら学んでいた」「学んでいたら楽しかった」のような感想を、子どもたちが学習にもてたら大成功だと思っています。そこで今回は、「遊び」から学習をスタートさせた「第三学年:光の性質」の実践について紹介します。

写真 活動に取り組む子どもたち

 この学習では、「光には直進性がある」「光は鏡ではね返すことができる」「光は集めると明るくなる」等を学びますが、遊びを通してこれらの学習内容に気付かせ、問題解決をさせる授業を目指したいと考えました。そこで、第1時は「友達と協力して光を目的地まで運ぼう!」と、子どもたちに光リレー遊びを提案し、学びをスタートさせました。

写真 光リレー遊びで使った道具

 子どもたちは一人一枚平面鏡を持ち、班の友達と協力してLEDライトの光を何とか目的地まで届けようと試行錯誤していました。目的地は、スタートとの間に壁を挟んで設置し、光を運ぶためには鏡で反射させなければいけないようにしました。また、目的地には光を当てる的を用意しましたが、的の数は班の数よりも少なくしました。それは、いくつかの班の光が的に集まることで、「光は重なり合うと明るくなるのか」「光は重なり合うとあたたかくなるのか」の問いが生まれるようにするためです。場の設定だけでなく、子どもたちの学習意欲向上や、他者との関わりについての意識向上を図るために、「何人の力を合わせると光をゴールまで運ぶことができるのでしょうか」と声をかけるなどの手助けもしました。そうすることで、子どもたちは「楽しそう」、「2人だけでもゴールできるのかな」等の期待感をもち、協働的に学習へ取り組むことができていました。

写真 リレーのスタートである窓際。LED光の向きは、前方の黒板や教室後方の掲示板の方へセット

 場の設定と教師の子どもへの関わりを通して、子どもたちは「○○さん。光が真っ直ぐ目的地に進むように、鏡をもう少し右側に向けてよ」、「○班の光もゴールの的に当たっているよ。私たちの光と重なると光が明るくなるみたい。なんだか、あたたかそうだね」等、「光は真っ直ぐに進む」「鏡があれば、光をはね返すことができる」ことに気付け、「光は重ねると明るく、そしてあたたかくなるのだろうか」の問いを生み出すことができました。

写真 廊下の壁際に置かれたゴール(光電池で動く人形)

 子どもたちは、実験・観察が伴う理科が大好きです。理科の楽しませ方は様々ありますが、「遊び」は理科の授業づくりで大切なポイントの一つだと考えています。

東京都稲城市立平尾小学校教諭
五十嵐敏文
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