Vol.042保健の授業づくり①
授業の流れ

2017.11

 まず、下記3点が達成されるような保健学習を毎時間目指しています(図1)。

図1 保健学習で目指すべき項目

 保健学習で学ぶ内容は、毎日の生活の中で聞いたことがある内容も多くあります。具体的には「早く寝ましょう。」「手洗い、うがいをしましょう。」「危ない所には近づかないこと。」などです。今までの経験で「知っている」ことを、科学的根拠を学んで「知識」とし、さらに身近な生活の中で活用できるような「知恵」になるような、認識が深まる学習の流れになるよう考えています(図2)。

図2 学習の流れ

 6年生「病気の予防」の2時間目、感染症予防の授業を例に説明していきます。
 まず、「①前時の振り返り」で、前時のまとめで書いた児童のコメントを紹介します。生活にどのように生かしていくか具体的に書いている児童や、実践への意欲が感じられる児童のよさを伝えて、学習内容の振り返りと認め合いを行います。

 「②課題解決学習①(知識習得)」では、課題を与えて児童に考えさせた後に正しい知識を習得させます。ただ、正しい知識を伝えるだけでなく、科学的根拠を分かりやすく補足することで、それまで知らなくても知っていても意味のある時間になります。ここを養護教諭と連携して指導するとより効果的です。

 「③課題解決学習②(知識活用)」では、自分の身近な事象にあてはめて考えられる課題を与えます。②で習得した知識を活用する段階です。個人で考えさせ、他の児童と対話する時間をとると様々な考えに触れることができるので、考えが広がります。児童の実態や指導内容によって、対話の人数は工夫できます。

 「④まとめ」では、自分の生活にどのように生かしていくのかについて考えます。

 ①~④の流れで学習を行い継続していくことで、始めに書いた3点が達成されると考え、授業を行っています。

東京都八王子市立第五小学校教諭
両角知子
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